笹間代表のコラム
ペット生体販売のロングテール現象2007年2月9日
先日、あの「崖っぷち犬のプチ」ちゃんの新しい飼い主が決定した旨のニュースをTVで見ました。
譲渡会では貰い手1人の枠になんでも問い合わせ109件、抽選には11人もの参加あったよです。
その中から幸運の1人に選ばれた助成とその家族の喜びの表情、名前を「リンリン」と決めたこと、そしてその新しいご主人になかなか心を許さず、庭の植木を破壊したり慣れないリードから逃げようとする「リンリン」。
全てが微笑ましいニュースでした。
実はこのリンリンには、容姿などそっくりなどうもお姉さんと考えられている雌犬も保護されているらしく、
この子も同時に新しい飼い主の募集がかけられたようです。
しかし、残念ながら新しい飼い主の応募者はゼロでした。
容姿はとてもよく似ているようです。
つくづく、マスコミの力は偉大だと感じた瞬間でした。
そして、この一連の報道をみて、確信したことがあります。
「ペットのロングテール」
ロングテールと言っても尻尾の話ではないですよ。
"The Long Tail(ロングテール)とは、
「あまり売れない商品が、ネット店舗での欠かせない収益源になる」とする考え方。
商品売り上げのグラフを、縦軸を販売数量(population)、
横軸を商品名(product)として販売数量順に並べると、
売れない商品が恐竜の尻尾(tail)のように長く伸びる。
つまり、販売数量が低い商品のアイテム数が多いということを表す。
このグラフの形状から因んで「ロングテール」という。"
以上、Wikipediaより引用
この理論をペットに当てはめますと、所謂「頭」の部分が「チワワ」「トイプードル」「ミニチュアダックスフンド」などの人気犬種で、「テール」に部分がとても希少な犬種になりますね。「雑種」も含まれるでしょう。
ただ、「チワワ」「トイプードル」「ミニチュアダックスフンド」などの人気犬種でも「テール」に当てはまることがあるのではないでしょうか?
例えば毛色。
トイプードルの場合、レッドの毛色に人気が集中しています。
だから一般市場価格も高かったりします。
しかし、逆にブラックやホワイト、あるいは希少カラーのシルバーなどはあまり「人気」が無いのが現状です。
つまり、「レッド」が頭の部分で「ブラック」はテールの部分になります。
このロングテール理論には、ペット流通における数々の矛盾を劇的に健全化させる可能性があるのですと私は考えます。
一般のペットショップの店頭では、所謂「売れ筋」の子犬しか扱いません。
と言うより、場所や管理コストを考えると、売れそうな子犬以外は置くことができないのが現状です。
例えば「トイプードルのシルバーの男の子で、しっかりとした体が大きくて丈夫そうな子!」と、ロングテール理論で言えば、本当にテールの先の方に位置するような子犬を購入したい決めていたとしましょう。
そして、心躍らせながらペットショップへ行くのですが、そこに居るのはチワワやダックス、柴など。
運良くトイプードルが居てもレッドカラーだったりします。
ここで、問題の根源があるのです。
というのも、妥協が生まれるからです。
欲しい子がいないから、別の子をお迎えする・・・。
妥協時の購入者のモチベーションシフトは、
「目があったから!」
「かわいいから!」
「予算内だし。」
などでしょうか。
子犬の目を見つめれば、子犬は興味や恐怖で動けなくなり、それは見つめているように見えるかもしれません。
そして、多くの方々が子犬をカワイイと思うのは、子犬が好きな方にとっては当たり気持ちと言っても過言でないことはご理解頂けると思います。
「シルバーの男の子は居ない」
「目の前にいるレッドの子はかなりカワイイ」
「レッドよりシルバーの方がいいのだけど・・・」
この葛藤は間違いではないと思います。
「レッドカラー」の価値を、実際目の当たりにして知ったわけですから。
多くの場合、実際に目の前にしている子犬の姿を見ると、今までの気持ちやこだわりが小さくしぼむことが往々にしてあるということは、解らない話では無いと思います。
しかし、ペットは生き物です。飽きたから「返品」「廃棄」はできません。
つまりこのシチュエーションで考えるべきポイントは、妥協や葛藤の善し悪しではなく、「お迎えした子犬と一生暮らしていけるか?」です。
毛色の違いであれば、差し迫って大きな問題にはならないかもしれませんが、これが犬種の違いとなった場合は大きな問題を生む可能性があります。
例えば、「柴」と目があってしまい、かわいいくてお買い得だったとしましょう。
トイプードルを飼育することを目的にいろいろ勉強したり、環境を整えたりしたのに、お迎えした子犬が「柴」・・・。
ちなみに、子犬の柴は本当にカワイイですよ。
(私は柴犬の愛犬家ですので)
でも、性格も飼育方法もまったく違います。
毛は抜けるし力も強いし体も大きい。
なにより洋服は似合いませんし、カフェでも絵になりません。
どちらかというと縁側や庭でしょうか。(苦笑)
冗談はさておき、飼育方法だけでなく、ライフスタイルも変わります。
マンションだと飼えない、ということも有るかもしれません。
結果的に、捨て犬や飼育放棄など、愛犬家のモラルが問われる結果になるつながる可能性も否めません。
ここでロングテール理論の登場です。
もし仮に、「トイプードルのシルバーの男の子で、しかりとした丈夫そうな体の子!」が、日本のどこかのブリーダーで生まれたとします。
ただ、これまでご説明したように、現在のペット生体流通方法では、この子犬に巡り会う可能性はとても低いと言わざるを得ません。
しかし、インターネットのWEB技術の向上が、この問題を解決してくれる可能性があります。
ペットの検索性に優れるWEB技術を活かすことで、流行や間違った情報に惑わされることなく自分の本当の迎え入れたいペットを見つけ出すことができれば、それはミスマッチングが無くなるわけであり、希望のペットライフを得る事が出来ます。
強いては捨て犬問題や飼育放棄などが減ることを意味します。
この理論の使い方次第では、ペット飼育者の飼育モラル向上が期待出来、それは明るいペット社会の未来を実現出来ると考えます。
残念ながら現在の@Wan!s directは、この様な理論と技術を元に構築されたビジネスモデルではありません。
しかし、ペッツ・マーケット・サービシズの様なインターネットのペット仲介業者が、今後向かうべき方向を考えることが出来た、そんな「リンリン」の報道でした。
コラム著者:笹間健史
(株)ペッツ・マーケット・サービシズ代表取締役

